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建築界のアンビルトの女王「ザハ・ハディド」氏の作品

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デザインが奇抜であることがとても有名だった故ザハ・ハディド氏。現代建築でも脱構築主義を代表する建築家でした。イラクのバグダード出身でイギリス在住の建築家でした。オリンピックの日本の新国立競技場のデザインを担当したことで日本の人にも有名になりました。

コンペで選ばれたハディド氏の原案(出典:【新国立競技場】「なぜ実務家たちは、ザハ・ハディドを支持するのか」建築家・藤村龍至さんに聞く)

コンペで選ばれたハディド氏の原案(出典:【新国立競技場】「なぜ実務家たちは、ザハ・ハディドを支持するのか」建築家・藤村龍至さんに聞く)

新国立競技場を設計した「ザハ・ハディド」氏

1950年10月31日に生まれたザハ・ハディド氏。建築界でも常に注目を浴びてきた人物で、「アンビルトの女王」として以前から注目を浴びていました。その意味は、実際には建てられない、実現しないデザインばかりだったからです。奇抜なデザイン、曲線的なデザインなど実現不可能でユニークなデザインは、建築技術やコンピュータの進歩により新しい手法が使われ次々と実現するようになっています。ザハ・ハディド氏の新国立競技場も独創的なデザインが好評でしたが、予想以上の工費がかかることから、日本人のデザイン案に変更となっています。
すでに亡くなったザハ・ハディド氏ですが、現在建築中の構造物もあり代表的な建物を紹介していきます。

幼い頃のエピソード

ザハ・ハディド氏は、イラクの首都バグダッドに生まれます。イラク南部のシュメール文明の遺跡を訪れて、その風景や自然に魅了され、現代にも同じような設計や都市設計を発見し、生み出す、発明する仕事を志す決心をしました。
その後、リベラルな学校で数学などを学びます。イラクの政情不安により、1972年に渡英します。その後、ロンドンの建設専門大学で建築を学びます。卒業後は、オランダ人建築家の設計会社で働き、1980年に独立し自分の事務所を構えました。

女性初プリツカー賞を最年少で受賞

世界的なコンペでも多数の賞を受賞しているザハ・ハディド氏。1980年代には、ハーバード大学、イリノイ大学、コロンビア大学などで教鞭をとったことがあります。日本でも、札幌のモンスーンレストランの内装、大阪の国際花と緑の博覧会でのフォリーを手掛けるなどその実績を知る人もいます。国際コンペでは、シンガポールの都市計画コンペの勝利、バーゼルの新カジノ建設計画コンペなども入賞しています。また、ロンドン五輪の水泳会場となったアクアティクスセンターの設計を行っています。
2004年には女性初のプリツカー賞を最年少で受賞しました。

ザハ・ハディド氏のデザインの特徴

ザハ・ハディド氏のデザインは、構想やイメージだけでしか実現できない「アンビルト」の作品が多かったようです。独立後も10年近く実作品を作るチャンスはありませんでした。実現できない作品が多いことから、「アンビルトの女王」という異名がついてしまいました。
ザハ・ハディドの設計思想は、ロシア構成主義の建築や美術の強い影響を受けています。近未来的で空想的なイメージを現実空間に立体的に表現しています。さらにコンセプトを全面にアピールする力に長けています。形にこだわる以上に建築とファサードの融合を重んじていました。

アンビルドから実現できる時代へ

奇抜なデザインは、当初実現できないものと思われていましたが、建築技術が進歩し、ザハ・ハディドのデザインも次々と実現されています。3次元CADを用いたコンピューテーショナルデザインが可能になり、パラメトリックモデリングの手法を駆使し、従来にない曲線的なデザインが簡単に実現できるようになったからです。
その後、ザハ・ハディド氏のデザインは、数多く建築され完成しています。

新国立競技場コンペ勝利からアンビルドへ

2020年東京五輪で使用予定だった新国立競技場のデザインにもザハ・ハディド氏のデザインが選ばれています。巨大な流線形のデザインが注目されていましたが、カブトガニやヘルメットにも似ていると喩えられました。
しかし、膨大な建設費と年間維持費により、建設計画の白紙撤回が言い渡されてしまいました。
新国立競技場のデザインは、小規模案への変更提案も採用されることなく、最終的に隈研吾のデザイン案に落ち着きました。

すでに亡くなられたザハ・ハディド氏

残念ながらザハ・ハディド氏は、2016年3月31日にお亡くなりになりました。
マイアミで気管支炎の治療を受けていた病院にて心臓発作で亡くなりました。65歳でした。

ザハ・ハディド氏のアンビルト作品

ザハ・ハディドの作品は、実現していない「アンビルト」な作品であっても、大変独創的な優れたデザイン画に高い評価が集まっています。

1983年 The Peak Leisure Club

ザハ・ハディド氏を一躍有名にさせたデザインです。香港の百万ドルの夜景が見られるというビクトリア・ピーク山頂に建つクラブハウスのコンペでの作品です。
しかし、コンペ勝利後、事業者が倒産し実際に建設されていません。爆発した建物の無数の破片が鋭い軌跡を描き、空中に舞い、飛び散ったようなデザインです。

〈ザ・ピーク〉香港 1982-83(出典:ザハ・ハディド 展覧会について)

〈ザ・ピーク〉香港 1982-83(出典:ザハ・ハディド
展覧会について)

2019年 新国立競技場

コンペで選ばれたハディド氏の原案(出典:【新国立競技場】「なぜ実務家たちは、ザハ・ハディドを支持するのか」建築家・藤村龍至さんに聞く)

コンペで選ばれたハディド氏の原案(出典:【新国立競技場】「なぜ実務家たちは、ザハ・ハディドを支持するのか」建築家・藤村龍至さんに聞く)

日本の新国立競技場のコンペに当選したデザインです。コストダウンした小規模なデザインもありますが、ザハ・ハディド氏の原案を見ると、その規模の壮大さや未来都市に横たわる宇宙船のような美しい流線形のデザインに高い評価がありました。
全く別の日本人のデザインに変更されて建築されることになりましたが、当初の独創的なデザインに比べるとコスト削減の後が見られます。当初のデザインのような建築物が見られないのは残念です。

2019年 北京新空港 Beijing New Airport Terminal Building

中国北京に2019年に完成予定の北京新空港のデザインです。中国ということで完成すれば世界最大の空港となります。
ヒトデ形のターミナルと7本の滑走路が建設されます。1億人以上の収容能力を備えます。ターミナルビルの建築面積は70万平方メートルになります。

北京新空港(出典元:http://www.zaha-hadid.com/architecture/beijing-new-airport-terminal-building/)

北京新空港(出典元:http://www.zaha-hadid.com/architecture/beijing-new-airport-terminal-building/)

2022年 アル・ワクラ・スタジアム Al Wakrah Stadium

カタールで2022年に開催予定のFIFAワールドカップで使われる予定のスタジアムです。
独創的なデザインは、女性器を想像させるかのような抽象的なデザインが話題を呼びましたが、カタールの伝統的な漁船「ダウ船」をモチーフにしています。外観の美しさ、強い日差し対策も考慮されており、見た目以上に実用性の高い建造物として建設される予定です。
このスタジアムのデザイン性については、マスコミの注目を浴びましたが、完成前にザハ・ハディド氏本人は亡くなりました。

アル・ワクラ・スタジアム(出典元:http://www.zaha-hadid.com/wp-content/files_mf/cache/th_65d1300db123ce22f6e2569fb36764f8_alwakrah_exterior.jpg)

アル・ワクラ・スタジアム(出典元:http://www.zaha-hadid.com/wp-content/files_mf/cache/th_65d1300db123ce22f6e2569fb36764f8_alwakrah_exterior.jpg)

2009年 国立21世紀美術館/ Museum of XXI Century(maxxi)

日本ではなく、ローマにある国立21世紀美術館です。そして、イタリア初の国立美術館です。
すっきりとした洗練されたデザインが魅力的です。
ファザードも大変な迫力で、見た目にも斬新でありえない構造をしています。
流線形のデザインの屋内は、高い天井空間に幾重にも重なった階段を見ることができます。
立体的な展示空間は、美術品を鑑賞する際にも飽きさせない工夫が施されているといってもいいでしょう。

出典元:ローマにあるザハ・ハディド建築「イタリア国立21世紀美術館(MAXXI)」が流線型のデザインで斬新!

出典元:ローマにあるザハ・ハディド建築「イタリア国立21世紀美術館(MAXXI)」が流線型のデザインで斬新!

2014年 ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー/ Jockey Club Innovation Tower

香港にある香港理工大学の建物です。外観もまるで地層が重なったような重厚で斬新なデザインに人気が集まっています。
エントランスも建物の全体のうねりが奇妙で何度見ても飽きることはありません。
デザイン系の教育施設ということもあり、外観や建物内部の構造などもおしゃれで洗練されたデザインになっています。
歩けば歩くほどに、同じ風景を見ることはなく、いろいろなラインを見るうちに建物内を歩くことが楽しく、いつまでも飽きない美術館のような造りになっています。

出典元:ザハ・ハディドが設計した「香港理工大学・ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」に行って来た!

出典元:ザハ・ハディドが設計した「香港理工大学・ジョッキー・クラブ・イノベーション・タワー」に行って来た!

2011年 リバーサイド・ミュージアム/Glassgow Riverside Museum

イギリスのスコットランドのグラスゴーにある交通博物館です。ノコギリや山脈のような形状をしています。グラスゴーの工場をイメージしているかのようです。馬車、初期の自動車、機関車、路面電車などのレトロな乗り物がたくさん展示されており、グラスゴーでも人気の施設です。

出典元:ザハ・ハディドは30年前に日本で設計していた!

出典元:ザハ・ハディドは30年前に日本で設計していた!

2012年 ヘイダル・アリエフ・センター / The Heydar Aliyev Center

日本にはあまり馴染みのないアゼルバイジャンの首都バクーにある文化施設です。曲面を多用し、滑らかで斬新なデザインになっています。曲面とガラス張りの前面他、さまざまな方向から建物を見ると、奇妙な曲線のうねりが砂丘のようにも見えてくるから不思議です。
もちろん、建物内部も美しい局面で構成されており、LED照明による演出が見事です。
建物の外にもさまざまな美術品が展示されていたり、人工の滝が作られていたりします。
ヘイダル・アリエフ・センターには、前大統領の名前がつけられています。ミュージアム、コンサート会場、エキシビションホールなどを内部に包する総合文化施設としても有名です。アゼルバイジャンの首都バクーには、このような奇抜な大型建築物が多数造られています。

出典元:ザハ・ハディド氏設計の建築物にアゼルバイジャンで圧倒されてきた

出典元:ザハ・ハディド氏設計の建築物にアゼルバイジャンで圧倒されてきた

まとめ

日本の東京五輪の新国立競技場コンペでも有名になった、建築界のアンビルトの女王「ザハ・ハディド」氏。
氏の作品の簡単な略歴や設計思想、アンビルトの作品、これまで建てられた建造物についてご紹介しました。すでに亡くなられたザハ・ハディド氏ですが、その建造物は今でも残っており、建築界にも大きな影響を与えたことで知られています。

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