不動産売却

不動産の登記簿?権利証?を紛失したらどうなる?

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不動産の登記簿や権利証をなくしたらどうすればいいでしょうか?不動産登記法も改正されています。権利証をなくしても、不動産の売却手続きが可能です。
しかし、紛失した状態では不正登記のリスクもありますので、不動産の権利証の取り扱いは今までと変わりなく慎重に行いましょう。

登記簿じゃなくて権利証!

不動産の所有者の権利を証明する「権利証」は他にも「権利書」と呼ばれることがあります。
一般的には、権利証と呼ばれることがありますが、「登記簿」と勘違いしていることが多く、実際の不動産に関するお問合せに関しても、権利書のことを登記簿と呼んでいる方が多いのが現実です。
司法書士や宅地建物取引士、不動産業者などの専門家にしてみれば、依頼主や不動産の所有者からの相談では、登記簿でも権利証でも権利書でも同じ意味に捉えていますので、気にすることはありません。
ネットで土地の所有権を表す権利書について検索する場合は、「登記簿」や「権利証」などといった複数のキーワードで検索しても同じような検索結果が表示されています。
土地の権利を証明する書類には、いろいろな言葉があり、「登記簿」ではなく、権利証や権利書ですし、もっと正確に記載するなら「所有権の権利に関する登記済証」となるはずです。

権利証の正式名称

権利証、権利書の正式名称は、今ご説明したように、
「所有権の権利に関する登記済証」
となります。
しかし、あくまでも所有権のみを証明する紙の書類です。所有権以外にも抵当権、地上権、賃借権などがあり、ここでいう土地や建物の権利書には含まれない権利です。
権利証は、登録済証のことですが、司法書士が書類を作成し、法務局に提出します。そこで、受付の年月日と受付番号が記載された朱印が押された書類を受け取ります。
こうして、正式な
「所有権の権利に関する登記済証」
を手にすることができます。

今は新しい法律に変わっており、法務局は権利書や登記済証から「登記識別情報」を発行するようになっています。

今は登記識別情報が発行されています!

紙の権利証、権利書が発行されていた時代もありましたが、今は法律(不動産登記法)が改正になり、法務局からは「登記識別情報」が発行されています。
紙で発行されていますが、その内容は「12桁の英数字のパスワード」です。
マイナンバーやクレジットカードの番号のように、他の人に見せて番号を悪用される恐れがあるので、シールが貼られていたり、袋とじになっている場合があります。最新の「登記識別情報」は袋とじになっています。
「パスワード」ですから、他の人に見られてはいけません。
そして、コンピュータで全て管理されています。不動産を所有しているという権利は、12桁の英数字のパスワードと共に所有者と結び付けられており、この情報により不動産の所有権を証明するようになっています。
紙の権利書の時代は、今とは違って権利書に記載の受付日と受付番号が不動産の所有権を証明するものでした。昔の不動産の権利書は立派な紙でできています。
相続時などに昔の紙の不動産の権利書を初めて見てびっくりするかもしれません。

古い権利証はどうなる?

不動産登記法が改正されても、昔の紙の権利書はそのまま存在しています。
パスワードのないこうした古い権利証はどうなるのでしょうか?
古い権利証はなくなってしまうと困りますが、権利証だけで土地の処分や売買取引ができるわけではありません。
古い権利証があったとしても、印鑑証明書なども必要ですし、手続きは同じです。
パスワード情報も、同じ土地に一つだけ設定されていますが、番号を知られると簡単に不正登記されてしまう恐れがありますが、その情報だけでは簡単に登記ができなくなっています。
そして、権利証は登記ごとに一回しか発行されません。紙の権利書でもパスワードの権利書でも同様です。紛失したときでも再発行されないので注意が必要です。
相続登記まで新しい「登記識別情報」が発行されません。権利書を紛失した場合、心配だという方は悪用される前に「登記識別情報の失効申出」や「不正登記防止申出」を行う必要があります。

土地や建物の権利証がなくなるとどうなる?

紙の権利書や登記識別情報の用紙などの土地や建物の権利証をなくしてしまったらどうなるのでしょうか?
大切に保管していたとしても、盗難に遭ってしまうこともあります。
また、生前に相続のために書類を整理していても、あったはずの不動産の権利書が見つからないことがあります。頻繁に引っ越しをしていた方も、いつの間にかゴミとして捨ててしまっていたというケースもあります。
権利書がないと、その不動産を売るときや担保の設定を行うときに面倒です。司法書士などの専門家にその不動産の所有者であるということを証明してもらう必要があります。
司法書士は、本人確認情報の証明書を有料で作成しています。司法書士もその書類を偽造したり、虚偽の情報を提供したりすると刑事罰が課せられたり、罰金の支払いを命じられたりすることがあります。

処分の登記は簡単にできない

権利書を紛失しただけでは、不動産を奪われることはありません。
権利書だけでは、不動産の移転登記はできません。司法書士が本人確認情報の証明書を作成できますが、本人として確認できない場合は、当然のことながら登記ができません。
しかし、印鑑証明書の他、運転免許証などの身分証明書を偽造すれば、司法書士をだまして本人確認を行い、そのまま不動産の移転登記が完了してしまう場合があります。

不正登記の可能性と勝手に登記されたら訴訟を起こす

一時的に証明書や書類を偽造して、勝手に不動産の移転登記が行われる場合があります。
しかし、登記は無効と判断されます。この場合は訴訟を起こして所有権移転登記を抹消してもらったり、再度移転登記を行ったりします。
訴訟を起こす費用や弁護士への報酬などがかかりますが、不正登記が実行されてしまった理由は、自分にも非があるかもしれません。不動産の登記をはっきりさせるために、訴訟を起こす必要もあるということです。

勝手に登記場合は詐欺や書類の偽造にあたる可能性大

登記をするような不動産の手続きには、印鑑証明書なども必要になりますので、権利書だけで不動産の所有権の移転登記ができないようになっています。印鑑証明書を偽造すれば勝手に所有権の移転登記が行われる場合があります。
しかし、犯罪になりますので、そう簡単には登記の手続きはできないと考えておいていいでしょう。

権利証を紛失した場合の対処法

権利証を紛失した場合は、すぐに気づかない場合があります。
そのままにしていると、近い将来、不動産の売却や担保設定、贈与などのタイミングで一時的に登記の手続きがストップしてしまいます。
権利書がない、ということに気づいたら、すぐに何らかの手を打ちましょう。

権利証を再発行してもらう?

不動産の権利証や登記識別情報は、再発行できません。
権利証などをなくしてしまったら、素直にあきらめましょう。

そこで次にやっておくことは、登記識別情報の失効申出と不正登記防止申出です。

法務局に対して失効申出制度を利用

登記識別情報をなくした場合は、その情報そのものを無効にすることができます。
法務局に申請しますが、書面での窓口申請でも、インターネットでも申請できます。
法務局の窓口に行く場合は、印鑑証明書が必要です。
昔の紙の「所有権の権利に関する登記済証」では、この制度を利用できません。

次に不正登記申出の手続きを行います。
権利書や登記識別情報をなくしたので、先に法務局に申請する制度です。
法務局に申請後、3か月間は不正登記を監視してくれます。不正登記があったら、法務局から通知があります。
しかし、通知や報告はありますが、自分自身で裁判を起こし争わなければなりません。
この場合は、弁護士に相談して早めに対処することが重要となります。

相続登記で新しい権利証が作られる

相続登記では、権利書は不要です。なくしても相続する人が相続登記します。
その場合は、新しい登記識別情報が発行されます。

権利書や登記識別情報が単なる紛失によるものでも、所有者が死んでしまったらまた新しい登記識別情報が発行されます。

権利証がないときの不動産の売却手続き

土地や建物の権利証、登録済証、登記識別情報などを紛失してしまっても、不動産の処分のための売却は可能です。
自分がその土地や建物などの不動産の登記名義人であることを証明すれば問題ありません。
不動産の売却時に権利証がないときに、事前にやるべきことについて解説します。

事前通知による登記名義人の確認

権利証や登記識別情報が見当たらないときは、事前通知を行います。
本人確認を行うため、登記所が郵送で登記名義人が住む住所に問い合わせを行います。
この事前通知には、「本人限定受取郵便」が利用され、実印を押印する必要があります。
不動産売却の前に登記所に連絡すれば、事前通知の手続きが行われ、これにより本人確認が実施されます。
手続きは、事前通知が届いてから2週間以内の期限があります。(海外在住者は4週間以内)

資格者代理人による登記名義人の本人確認

こちらは、司法書士などの資格者代理人に依頼し、本人確認情報を提出してもらう方法です。
資格者代理人は、例えば、司法書士や土地家屋調査士になります。
専門家に依頼しますので、手数料がかかります。その相場は5万円となっています。

まとめ

不動産の登記簿や権利証を紛失したときの対処法や知っておくべきことについて解説しました。
ちなみに「登記簿」と勘違いしている人もいますが、登記簿ではなく正しくは「所有権の権利に関する登記済証」です。
不動産登記法が改正されているため、権利証や登録済証も今は登記識別情報に変わっています。
権利証や登記識別情報をなくしても、不動産の売却手続きが可能です。
紛失した状態では不正登記のリスクもあります。
不動産の権利証や登記識別情報の取り扱いは、今までと変わりなく慎重に行いましょう。

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