不動産売却

【不動産売買契約書】お金の貸し借りの契約書には金消契約印紙代が必要です!

不動産売買や住宅ローンなどの契約を交わすときには、それぞれの契約書を作成します。お金の貸し借りの契約書は、印紙税がかかるため課税文書となります。税額は、契約書に記載の金額により異なります。印紙を契約書に貼り、印鑑や署名で消印を押して納税します。

金銭消費貸借契約の基本をわかりやすく

「金銭消費貸借契約」というと、難しい言葉が並んでいる法律の専門用語にしか思えませんが、住宅ローンや教育ローン、スマホの割賦代金、キャッシングなどで誰もが日常よく取り交わしている契約です。契約前に難しい文字がたくさん並んだ契約書を見たことがあるとは思いますが、金利と毎月の返済額しか興味がない場合が多いので細かい内容についてはよく知らない、理解していない人もいます。印紙税を理解する前に「金銭消費貸借契約」とその契約書について簡単に解説します。

金銭消費貸借契約の簡単な説明

金銭消費貸借契約とは、専門的な言葉を使って説明すると、借主が、金銭を借主から借り入れて、その金銭を消費し、その借り入れた金銭と同額のお金を貸主に返済する契約のことです。利息がついている場合は利息も返済額に含まれます。
何か物やサービスを購入するために、お金を借りた後、利息を含めて返済することを取り決めた契約書のことです。
不動産に関していえば、住宅ローンを借りる際に金銭消費貸借契約書を取り交わします。家を買うためのお金を借りるわけですが、住宅には抵当権が設定され、お金を借りている金融機関に差し入れなければなりません。これは金銭消費貸借契約と抵当権設定契約が一つになった契約書になります。
契約書には、他にも融資金額、返済方法・期日、借入利率、返済額、繰上返済、遅延損害金などについての細かい取り決めが記載されています。

なぜ契約書を取り交わす必要がある?

他人からお金を借りるときは、慎重にならなければなりません。最もトラブルが多いのが、お金に関するものです。お金の取り扱い方を間違うと、人間関係にもヒビが入ってしまうことがあります。仲のよい人からお金を借りるときも口約束だけのお金の貸し借りでトラブルに発展することが多いからです。
このような場合は、借用書を書くと金銭トラブルを防ぐことができます。借用書は簡単に書くことができます。
しかし、住宅ローンのように高額の金銭の貸し借りでは、借主と貸主だけではなく、連帯保証人がいたり、抵当権の設定を行ったりする必要があります。他にも返済期日や返済方法なども記載しなければなりません。関わった人が全て同じ文書を保管することで、返済が滞ったときの問題解決ができますし、行き違いなどを防ぐことができます。

金銭消費貸借契約書作成時の注意点

金銭消費貸借契約書は、ひな形がありますので、それに沿って記載する場合がほとんどです。
住宅ローン契約を結ぶ際にも、すでに記載内容が決まっているので、契約の際に担当者からの説明をよく聞いてから金銭消費貸借契約書に署名、捺印をして契約が完了します。
しかし、自分で作るとなると、金銭消費貸借契約の効力が有効となるように、決まり事を全て漏れなく正確に記載しなければなりません。
基本的な注意点をまとめると、
消すことができないボールペンや万年筆、パソコン、ワープロで契約書の文章を記載し、署名と捺印が必要、
金銭消費貸借契約書には、この契約書を作成した理由を記載する必要があります、
署名は直筆でなければならない、連帯保証人の署名や捺印も必要、
捺印は親指は人差し指の拇印でもOKですが印鑑証明書による実印がベスト、
契約日はお金を貸し出す日ですが、日付は利息の計算や起算日になりますので重要、
金額は、壱・弐・参といった漢数字で記載、
といったところです。

金銭消費貸借契約書が役立つとき

金銭消費貸借契約書は、単なる文書ではありません。法的な効力や効果があります。
金銭消費貸借契約書により、お金の貸し借りの事実を証明し、返済方法にも同意したことが文書としてきちんと残されています。
お金の返済では、返済日、返済方法、金利などの必要な記載事項も明確になっており、お金を借りる側も貸す側もお互いに間違うことがありません。
裁判になったときには、重要な証拠にもなります。たとえ身近な人とのお金の貸し借りでも書面を作ることで、きちんと最後までお金の返済できる人だと判断され信用の裏付けにもなりえます。

金銭消費貸借契約で必ず記載する内容

金銭消費貸借契約に記載する重要な項目について細かくみていきましょう。最低限の内容ですが、ご自身で作成する場合は、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家にもアドバイスをもらいながら、漏れなく記載する必要があります。

お金の返済日と返済方法

金銭消費貸借契約書は、お金の貸し借りを行うための重要な書類です。
契約日の記載はもちろんですが、最終的にお金を返済する期限を記載します。
返済方法にもいろいろあります。銀行口座への入金や現金での支払いなどです。振込手数料の負担も借主なのか貸主なのかをはっきりと記載します。
返済方法では、一括返済と分割返済があります。分割返済でも返済回数と元金と利息の計算、毎月の返済日と返済金額、返済期間、返済期限、返済方法などを記載します。
記載がなくても、民法に従うことになりますが、決めたことをはっきりと明確に文章にして記載します。

「期限の利益」とは?

法律の専門用語では、「期限の利益」というものがあります。
少しわかりやすくいうと、お金を借りた人が契約書の期限までお金を借りていてもいい権利のことです。
当たり前のように思えますが、貸主が急に返済を求めることがあっても、期限の利益を理由に返済する必要はない、ということになります。
逆に期限の利益を喪失した場合は、お金の一括返済を求められることがあります。期限の利益が喪失する条件にはいろいろあります。実際に契約書に記載する場合に多いのが、支払いが2回滞ったときや仮差押えになったとき、破産や民事再生の申し立てなどがあったときです。

金利と遅延損害金に関する項目

お金を借りたときに支払う利息は、金利によって決められています。これは「利息制限法」に従います。
上限が決まっていますので、その上限を超える金利による利息の支払いは契約そのものが無効です。
さらに遅延損害金も定められています。期限にお金を返済できなかった場合の損害金で、通常の金利に上乗せされる高額の金利です。すでに返済できない時点で遅延損害金すら支払えない場合もありますが、お金があっても返済しない人も多いことも知っておきましょう。
利息制限法では、金利は年18~20%に抑えられていますが、遅延損害金は高い利率で年20.19~29.20%となっています。

不動産売買契約における印紙税

契約を交わすときには、印紙税が必要になることがあります。例えば、不動産売買契約です。印紙税が必要な契約には、金銭消費貸借契約(ローン契約)だけではなく、不動産の売買や家を建てたり、リフォーム工事を実施したりするときの建設工事請負契約も当てはまります。

印紙税「金消契約印紙代」が必要です

印紙税は、「金消契約印紙代」とも呼ばれ、決められた額の印紙を購入し契約書に貼ります。
そして、税額は契約書に記載した住宅の価格や工事代金、住宅ローンの借入額の大小に応じて金額が決まります。
契約書に貼った印紙は、署名や印鑑で「消印」することで納税したことになります。

不動産売買契約の軽減措置

住宅ローンの場合は、軽減措置がありません。しかし、不動産売買契約や建設工事請負契約では、軽減措置があります。
不動産売買契約の場合、一例を挙げると、契約金額が500~1000万円の場合は5000円、1000~5000万円の場合は1万円、5000万円~1億円の場合は3万円が目安です。本則税率に比べると半額になっており軽減されています。

印紙を貼らなかった場合は?

「金消契約印紙代」として契約書に印紙を貼っていない場合、契約書が無効になるわけではありません。
印紙税法上の問題が残り、納めるべき印紙税額の3倍の過怠税がかかってしまいます。
しかし、印紙を貼るのを忘れていた場合に自主申告すれば1.1倍に軽減されますので、忘れていたときに指摘されたら素直に従い、軽減された過怠税を払うようにしましょう。

住宅ローンを借りるときの金銭消費貸借契約(ローン契約)には軽減措置がない

住宅ローンを借りるときの金銭消費貸借契約(ローン契約)には軽減措置がないので、本則税率が適用されます。
契約金額が500~1000万円の場合は1万円、1000~5000万円の場合は2万円、5000万円~1億円の場合は6万円です。
軽減された税率の倍になっています。

家を建てるとき、リフォームするときの建設工事請負契約

家を建てるとき、リフォームするときの建設工事請負契約にも印紙税「金消契約印紙代」が必要ですが、軽減措置により、不動産売買契約と同じ金額の印紙税「金消契約印紙代」を貼って納税します。

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印紙税を節約する方法がある?

契約書は2通作成するものと思いがちですが、実際には慣習でしかないそうです。契約書は一枚でもOKで、その一枚に収入印紙を貼り付けるだけでも法的な効力を持ちます。2通作ると収入印紙も2枚必要です。契約書の数だけ印紙税「金消契約印紙代」が必要になると覚えておきましょう。

契約書は1通のみでもOK!

契約書は、2通作ってそれぞれが1通を保管することが当たり前となっています。
しかし、これでは、同じ契約書を2通作り、それぞれに署名と捺印、印紙税「金消契約印紙代」が必要です。
もちろん1通だけ作っても法的には効力を持ちますが、手元に契約書がないと不安です。実際には裁判となっても、契約書のコピーがあれば、契約は成立すると考えられており、正式な証拠書類とみなされます。
沢山の同じような契約を交わす必要がある人は、1通だけでも法的効力があり、印紙税「金消契約印紙代」が半額になることを知っておきましょう。

契約書のコピーは残すべきか?

契約書のコピーを残すことには問題ありませんが、逆に精巧なコピーは、課税文書とみなされます。つまり、印紙税「金消契約印紙代」の対象となるわけです。そうならないために、契約書にはコピーを保管する文言を記載しないテクニックもあるようです。詳しくは税の専門家に相談してください。

まとめ

不動産売買契約書などに関するお金の貸し借りの契約書には金消契約印紙代が必要です。前半は、金銭消費貸借契約の基本について解説し、後半は印紙税「金消契約印紙代」とその金額や実務上の注意点について記載しました。

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