マイホームを購入したら避けられないのが固定資産税の納税です。これから購入する人もあそこのお家の固定資産税の年間支払い額も、概算額ですが決められた計算式から算出できます。
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固定資産税みんなはどれだけ払っている?
不動産を購入する目的はいろいろあります。同じ地域にある同じ広さの不動産であっても、固定資産税の計算は思いの外複雑です。いくら支払っているかという正確な納税額は、不動産物件を所有している人にしかわかりません。
それでも隣に住む人の固定資産税額の概算額を計算することは可能です。
また、各種アンケート調査では、半数以上が年間10万円未満の固定資産税を支払っているという結果が公表されています。
10~20万円未満は30%程度、20~30万円未満は10%程度という結果が出ています。マンションなら10万円未満、戸建住宅なら新築で20万円以上、中古なら10~20万円といったところが固定資産税の年間納税額の目安です。
わかりにくい固定資産税の基本を簡単に!
固定資産税は、家や土地を所有している人にかかる税金です。マイホームや不動産投資、賃貸経営、工場や事務所、倉庫などでも必ずかかる税金です。固定資産税を支払う必要のあるケースやその計算方法などについて簡単に解説します。
固定資産税を支払うケース
マイホームを取得する人が多いので、具体例はマイホームになりますが、マンションであっても土地を含めた建物を所有していると考えていただくと、必ず固定資産税がかかるようになっています。
固定資産税は、税務署ではなく市町村に支払う税金です。市町村の貴重な財源にもなっていますが、マイホームではなく、賃貸物件のお住まいの方は、その物件を所有する家主がまとめて固定資産税を支払っています。固定資産税は広さや住む場所によって金額が異なり、高額となるケースもあります。マイホームなら一年間で10~30万円の固定資産税を支払っています。
いわば、市町村に支払う使用料のようなものです。
都市計画税も払うケースとは?
固定資産税と一緒に「都市計画税」を支払わなければならない人もいます。固定資産税と比べると特例措置の優遇がなく、都市計画税が課税される分高い金額の税金を支払う必要があります。
都市計画税は、市街化区域にある土地や建物を所有している人に課税される税金です。具体的には、住宅や商業施設、商店などが集まっている地域です。市街化区域に住んでいる人は、道路や公園、下水道設備などが市街化調整区域に比べると充実していることから、その恩恵を受ける人にはしっかりと課税されるようになっています。
都市計画税は、都市計画事業、土地区画整理事業などの費用に活用されています。
固定資産税の計算方法
固定資産税の計算は、計算式で表すと簡単です。
固定資産税額=課税標準額×1.4%税率
となります。
ところが、課税標準額の算定基準が固定資産評価基準によって決められていたり、特例が適用されたりしますので、実際にはもっと複雑な計算です。たまに計算が間違っていることもありますので、毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を見て、算定根拠をよく確認する必要があります。
税額の目安としては、時価の70%が課税標準額となっているはずです。
そして、数々の特例がありますので、実際の税額はもっと下がります。
例えば、住宅用の土地は優遇されており、
200㎡以下:1/6、200㎡超:1/3
となっていることから、課税標準額が大幅に下がります。
さらに、新築住宅にも特例があります。
120㎡まで新築の住宅は3年間、認定長期優良住宅は5年間だけ税額が1/2になるものです。
固定資産税の税率は、条例で1.4%よりも高い市町村もあります。
同じ市町村でも、前項で解説した市街化調整区域なら「都市計画税」を支払う必要があります。
都市計画税=課税標準額×最高0.3%税率
で計算されています。
固定資産税と同じ特例が適用されますが、税率の優遇は低く、建物に対する特例はありません。
住宅用の土地の特例では、住宅用の土地に限り、200㎡以下:1/3、200㎡超:2/3
となっています。
固定資産税評価額はどうやって調べる?
課税標準の基準となる固定資産税もさまざまな方法で調べることができます。
まずは固定資産税の明細書をよく確認することです。
なくしてしまった場合は、市町村役場で「固定資産税証明書」を発行してもらうことができます。
さらに相続時にも使う固定資産税課税台帳「名寄せ帳」も確認することができます。
一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」サイトを調べれば、だいたいの固定資産税路線価がわかります。このサイトでは、全国の土地の固定資産税路線価、相続税路線価、地価調査、地価公示が簡単にわかります。
支払い時期
固定資産税は、毎年1月1日にその土地や家屋を所有している人に課税されます。お正月が基準です。
しかし、1月1日以降取得した不動産には、固定資産税がかかりません。その場合は、日割り計算を行い、買主負担分を売主に支払います。実際の支払いは売主が全て行います。不動産の売買時には、必ず日割り計算を行いますので計算の根拠をよく確認してください。
固定資産税の実際の支払い時期は、4月一括払いか年4回(4月、7月、12月、翌年2月)となります。納付書は市町村から4月以降届きます。
固定資産税が高すぎないか要チェック!
各市町村の税金の計算にも課税の誤りがあり、問題となっています。口コミ情報などで「どうも固定資産税が高すぎるな」、と感じた場合は、次の項目に沿って順番に検証してみましょう。
住宅用地の6分の1の特例
固定資産税の計算根拠を知る理由は、固定資産税の払い過ぎを防ぐためです。
「そんなことはない!」「役所が間違えるわけがない!」
と思っている人もいますが、実際には総務省も「重大な課税の誤り」がよく発生していることを認めています。その理由は人事異動により、前任者からの引継ぎがうまくいっていない場合がよくあるからです。
固定資産税の試算により、いくつかのチェックポイントを確認しながら不動産の時価や届いた納付書を照らし合わせて検討する必要があります。
例えば、住宅用地に関する6分の1の特例です。土地の価格が高いエリアなら高額の固定資産税を支払っているはずです。相場よりも高い金額が請求されていたら、市町村に行って再確認してみてください。
2世帯住宅の特例
2世帯住宅でも、広い土地に建設され、各世帯が独立しているような構造をしているなら、家が2つあるとみなされます。
玄関や台所、風呂なども独立していて、面積も広い2世帯住宅は、2倍の400㎡まで6分の1に軽減される特例が適用されます。知らなければ、多額の固定資産税を支払っている場合がありますので、該当しそうであれば各市町村に問い合わせるなどの具体的な行動が必要になります。
登記簿上の面積が実際と異なっている
登記簿の面積にも注目しましょう。
固定資産税は、登記簿の全部事項証明書の面積に基づいて課税されています。ご自身で購入した土地ではない場合、登記簿の面積が実際の面積と異なっている場合があります。
問題となるのは登記簿の面積が広くなっている場合です。これも税金の払い過ぎ状態です。相続で手に入れた先祖代々の土地は、今一度面積を新しく測量した図面で確定されることをおすすめします。
セットバックや私道の存在
狭い土地や特殊な形状をした土地の場合、セットバック部分や私道を設けている場合があります。建物を建てるために設けた部分ではありますが、市町村に申請していない場合は、これまで通りの面積で固定資産税が課税されてしまいます。
セットバック部分や私道を設けており、市町村に認定されている場合は「非課税」扱いです。固定資産税も安くなりますので、忘れていた場合でもすぐに申請を行い無駄に支払う税金を少しでも減らすようにしましょう。
支払方法を工夫すれば固定資産税も安くなる!
固定資産税の支払いでは、納付書を使って納付します。銀行やコンビニなどでも納付が可能ですが、電子マネーを使っての支払いも可能です。その手続きは少し面倒ですが、確実にクレジットカードのポイントを貯めることができます。年間10万円以上の固定資産税を支払っているご家庭ならクレジットカードのポイント分が還元されるという裏技です。
電子マネーnanacoを使うテクニック
電子マネーnanacoを使って税金を納めることができます。固定資産税だけではなく、各種税金にも対応しています。
自動車税、軽自動車税、所得税、個人住民税、国民年金、健康保険料なども納めることができ、これだけあれば100万円以上の支払いにより、ポイントも貯まりやすくなります。
nanacoポイントは残念ながらつきませんが、一部のクレジットカードでは、電子マネーnanacoにチャージするときにポイントが貯まるようになっています。還元率は1%を超える場合もあります。
支払いは、セブンイレブンの店頭でできます。クレジットカード払いが得意な方は、固定資産税を含めた公共料金の支払いでたくさんのポイントを貯めていきましょう。
まとめ
誰もが気になるマイホームの固定資産税についての知識、支払額や計算方法、お得な納付方法について解説しました。固定資産税が思ったよりも高額な気がする場合は、今一度概算でいいのでご自身で再計算されることをおすすめします。固定資産税の払い過ぎにはくれぐれもご注意ください!